教育情報化コーディネータ検定試験からみるICT支援員認定試験(A領域)の採点基準

ICT支援員認定試験を行う情報ネットワーク教育活用研究協議会(JNK4)は、教育情報化コーディネータ検定試験も行っている*1。教育情報化コーディネータはITCE(Information Technology Coordinator for Education)と呼ばれる。

ICT支援員認定試験のA領域は過去問が公開されていないが、その対策としてITCE 3級の問題も「参考にしていただければよいと思います」と公式サイトのFAQ に書かれている。ITCE 3級の過去問は有料販売されているが、私は購入していないので、次回のICT支援員認定試験日2021/6/13(日)が近くなってきたが、特に何も対策していない。

ただ、ITCE 3級の過去問は有料だが、ITCE 2級1次の過去問は一部公開されているので見てみた:

2019年度 2級1次検定試験 選択肢問題(専門知識) - ITCE 教育情報化コーディネータ検定試験公式サイト

問題の印象としては、難しい。これはITCE 2級の問題なので、ITCE 3級相当とされるICT支援員認定試験のA領域はもっと易しいはず。

ITCE 2級の難易度はさておき、以前の記事 ICT支援員認定試験公式サイトの問題例(A領域)を解いてみた - ICT支援員認定試験合格までの記録 にて

そして採点基準がわからないが、もし5個の事項に対しすべて正解した場合のみ得点を与え、1個でも間違えれば0点というのであれば、実質この1問で5問連続出題しているのと同じかそれ以上で、非常に厳しい出題形式だ。

と書いたが、前述のITCE 2級過去問ページに興味深い記述があった:

※本Webページは「教育情報化コーディネータ検定試験研究会」のメンバーによって作成されたものです。
「答えと正答率を見る」ボタンの内容は、参考資料としての例であるとお考えください。 時代の変化により、正解が変わるものもありますし、価値判断を問うている問題については、正解はなく選択肢に重みをつけて採点されている場合があるようです*2
なお、配点については公開されておりませんが、正答率は、認定委員会に示された得点率(選択肢に重みをつけて採点されている問題の場合を配慮して、正答率ではなく得点率と呼んでいる)を記載しています。

ICT支援員とITCE 2級の採点基準が同じとは限らないが、同じJNK4 が行っている試験であるので、同じである可能性はまあまあ高いと思われる。だとすれば、選択式問題でも「正解の選択肢は一つで他は0点」のような非常に厳しい採点基準ではなく、部分点をもらえたりするようだ。正解を一つ選ぶ問題に、二つ以上正解があるような出題も許されることになる。そのような場合に正解が一つと思い込み、無駄に思い悩むのは得策でないことがわかった。

*1:ICT支援員認定試験は2013年度から、教育情報化コーディネータ検定試験は2001年度から。

*2:ICT支援員認定試験でもそうだったが、自分のところで実施している試験なのに、なぜか推測・他人事のように書かれている。それはこの「~研究会」なるところに試験作成委託しているためだったようだ。