ICT支援員ハンドブック pp.68-69 ケーススタディ2 サーバーにインストールされているソフトが起動できない

課題名

校内サーバにインストールされているソフトが起動できない

事例

パソコン教室のサーバにインストールされているソフトが、先週までは使えていたのに、今日使おうとしたら起動できない。

前提条件

「正常に起動できるパソコンはあるか?」の記述から、サーバーにインストールされているソフトをサーバーから使用しようとしているわけではなく、パソコンをクライアントとしていることがわかる。そのようなクライアント・サーバー型のソフト利用で現在よくあるのは、サーバー側でWeb アプリケーションを動かしており、クライアント側がWeb ブラウザーである場合。実際、一般的な対応の手順にインターネットエクスプローラーのインターネットオプションを確認する例が出ていることから、「サーバー=Web サーバー、ソフト=Web アプリケーション、クライアント=パソコンのWeb ブラウザー」を前提としてよさそうだ。

文章校正など

  • 「正常な応答があれば、ii)の対応を行う。正常な応答があれば、iii)の対応を行う。」

    後半が「ii)の対応を行った結果、正常な応答があれば、iii)の対応を行う。」の意味なら「正常な応答があれば、iii)の対応を行う。」はii)の説明の最後に書くのがよい。 しかしiii)はサーバーの電源確認。今は「①特定のパソコンに起きているトラブルの場合」すなわち他のパソコンからはサーバーが使えている場合を考えており、サーバーは動いているはずで矛盾する。

    ここでは「正常な応答があれば、iii)の対応を行う。」を無視することにする。

  • HUB → ハブ

トラブルシューティング

ハンドブックに書いてあるトラブルシューティングの流れは私の考え方とは随分異なる。

「特定のパソコンの現象か、複数台同様の現象かを最初に確認する。」とあるが、私が最初にやるのは(「再現確認」を除けば)「エラーメッセージの確認」。Web ブラウザーに「403 Forbidden」と表示されれば権限の問題だとわかるし、「500 Internal Server Error」と表示されれば原則サーバー側の問題とわかる。また、このようなエラーメッセージがブラウザーに表示されるのであればサーバーの電源確認、LAN ケーブル確認、ping の試行などが不要になる。LAN ケーブルを入れ替えるとか面倒なので先にできることをやったほうがいい。Web ブラウザータイムアウトするようならサーバー側、次いでハードウェア(ケーブル含む)を疑う。

ハンドブックではソフトウェアよりハードウェアの問題を先に疑っている傾向がある。また、大して調査したり考えたりせずにすぐパソコン再起動やサーバー再起動に頼っている感がある。復旧最優先ならそれが正解ではあるが、考える訓練をする場でもあるケーススタディでの対策案としてはどうなのかという気もする。

後半で検討している、単にサーバーの電源が入っていないとかLAN ケーブルが抜けているとかいうハードウェアに主眼を置く検討であれば「サーバーにインストールしたソフトが起動できない」というシナリオ設定にほとんど意味がない。単に「ファイルサーバーに繋がらない」でよかった。

ケーススタディとして考えられる他のテーマ例

「インターネットが閲覧できない。」は学校に限らずよくあるテーマだが、「電子黒板を使用する際、付属の電子ペンの先と、画面上のマウスポインタの位置がずれる。」は学校特有に近いテーマ。業者に連絡する以外に何をしたらいいのかよくわらない。製品によるだろうが電子黒板を制御するソフトウェアの設定を確認したりするのだろうか。